上位都立高校に合格するために一日何時間勉強すべきか?問題

そもそも時間では学習量は計測できない

受験のための学習量を客観的にとらえるのはとても難しいです。例えば、コツコツ勉強量が必要な漢字の学習と、集中して理解し応用まで広げる数学の図形問題は、必要となる基礎学力・時間・集中力が全く違うからです。模試で1日5教科の問題をといた場合、時間的には5時間程度ですが頭はクタクタになると思います。対して情報整理のためにノートを作成したり暗記のためにひたすら書き写すような学習は、長時間行うことも可能です。塾や学校で授業を受けることも、比較的長時間行うことができます。

『一日xx時間勉強する』という考え方が有害

私の個人的な感覚として、取り組む内容によって1日に勉強できる時間は変わります。

本当に思考力・集中力を要する内容。ハイレベルな数学問題演習、英語長文問題演習、小論文等などは、1日3~5時間が限界だと思います。授業を受ける、動画を聞いて学習するような受け身の学習や、暗記、ノート整理は1日最大8時間程度はできると思います。

『よくネット上で○○高校に受かりたいなら、1日10時間は勉強しないと』といった言葉を見ますが、真に受けないほうがよいです。逆に1日10時間を目標にしてしまうと、集中力やひらめきを必要としない、受け身・暗記型の学習に逃げてしまうことになります。

大切なのは、決められた時間の中で「これができるようになる」という明確なイメージを持つこと

1日の勉強が終わったときに、「今日は10時間勉強した!」では意味がなく、「数学のこの単元の基礎問題は100%とけるようになった」「中二までの漢字ワークに出てきた四文字熟語は完璧」というように、『これができるようになった』と思えることが大事です。これから1時間でこれをやると決めて、高い集中力で30分で終わればそれでよいし、思った以上に時間がかかる場合は2時間に予定変更すればよいのです。

学習量を増やすために

とはいっても、やはり絶対的な学習量は必要です。それを増やすには、①高い集中力が必要な学習 ②淡々と情報を整理する学習(ノート整理) ③ひたすら暗記 ④受け身の学習(授業を受ける)をうまく組み合わせるとよいです。

休日を例にとると、朝の頭がクリアな2時間で①高い集中力が必要な学習、昼間3時間は④の受け身の学習、夕方2時間②の淡々と情報を整理する学習、寝る前1時間は③ひたすら暗記、という具合です。

繰り返しになりますが、「今日xx時間勉強した」ではなく、「今日これができるようになった」「今日、ここの範囲まで確実にものにできた」という振り返りになるように自身の学習管理をして欲しいと思います。